19世紀のフランスを舞台に繰り広げられる事件を動物達が解き明かす!
【基本情報】
商品名:鳥類弁護士の事件簿
販売元:LEOFUL
開発元:Sketchy Logic
ジャンル:テキスト型アドベンチャー
プレイ人数:1人
ローカル/インターネット通信:なし
【公式サイト】
・鳥類弁護士の事件簿 公式サイト
【対応機種:発売日(日本語版)】
スイッチ:2022年12月15日
※海外では2015年にSteam、2020年にはスイッチで発売している。
他ハードでの日本語化は記事更新日時点では予定されていない。
【販売形態】
パッケージ
ダウンロード
【DL版の容量】
スイッチ:550MB
【税込販売価格(税率は記事作成日時点)】
スイッチ_パケ版:3,850円
スイッチ_DL版:3,278円
【追加DLCの情報(記事更新日時点)】
なし
【レビュー環境】
レビュー機種:スイッチ
プレイしたVer:1.00(2022年12月23日時点)
クリアプレイ難易度:選択なし
クリア時間:7時間(1ルートクリア)
総プレイ時間:8時間(全ルートクリア)
【記事作成】
2022年12月23日
【記事更新】
①基本的には100点満点でクリアレビューしていきます
(3,500円以下の低価格ゲームは10点満点)
②価格適正度は5段階。ゲーム内容ではなく販売価格が適正かどうかの評価になります
③S〜Gは一定の点数で区切ったオススメランクです
④クリア時にプレイしていたアップデートVerを元にレビューしています
⑤採点は相対評価。レビュー点数は変動することがあります
⑥ゲームのネタバレとなる内容は避けております
・他のゲームレビューを確認する(点数ごとにまとめた一覧ページへ飛びます)
俺のレビューランク 平凡ゲー |
俺のレビュー点数 10点満点評価 (低価格ゲーム) |
価格適正度 5段階評価 【優/良/普/微/悪】 |
---|---|---|
6 | 微 |
Meta score 海外メディアの 平均点 |
User Score 海外ユーザーの 平均点 |
Meta score リンク飛び先 |
---|---|---|
81 | 8.0 | 鳥類弁護士の事件簿_Meta scoreリンク |
↓以下ガチレビュー
GOOD & BADポイント 簡易まとめ
・完成度が抜群に高い日本語翻訳
・個性豊かなキャラクターが織りなすテンポの良い会話劇
・シンプルシステムで取っ付きやすい法廷アドベンチャー
・ゲームの進め方によって細かく変わる会話の作り込み
・ルートによっては、エンディングに向けての展開が少し強引
・最後まで明かされない謎もある(続編が出れば嬉しいが)
・価格帯的にゲームボリュームがもう少し欲しい
・裁判パートが物足りない
・会話ログ機能がなく不便
シナリオ
【あらすじ】舞台は19世紀のパリ。歴史の変革に向き合う”鳥類達”が織りなす物語
物語の舞台は19世紀のフランス・パリ。
現国王の体制に対する不満の声が目立ち、革命軍の存在がちらつく非常にピリついた国内。
そんなパリで法律事務所を運営する弁護士の『ファルコン』と助手の『スパロウソン』。
閑古鳥が泣くくらい暇だった事務所に依頼が舞い込む。
依頼の内容は”殺獣罪(殺人罪)で逮捕された良家の令嬢”を弁護して欲しいとのこと。
高額報酬を期待して依頼を受けるファルコン。
しかし、この事件を皮切りに色んな事件に巻き込まれることになる。
物語の規模は意外に大きく、かつ後半は分岐シナリオによるマルチエンディング仕様
主人公のファルコン達が事件をただ解決していくだけではなく、
その裏では大きい事件が動いており、ファルコン達も巻き込んで大ごとに発展していく。
ユニークなビジュアルからは想定していなかったので、インパクトを感じる物語だった。
なんなら、第1話の展開が一番ビックリしたかもしれない。
また、本作は全4話構成となっており、第3話の進行状況によって、
『4-A,4-B,4-C』の3種類のエピソードに分岐する。
3種類の結末は全く違う展開になっていて楽しめるが、
エピソードの差別化をしようとした結果、ちょっと展開が強引に感じる部分もある。
また、分岐した影響で各エピソードが短くなってしまっているデメリットもあるので、
普通に4話→5話の構成でハッピーエンドを1つ用意してもらう形でよかったかな。
他気になる点として、物語には大きく影響しないが、一部キャラクターにある過去設定の謎が解明されない状態で終わるので、モヤる人もいるかもしれない。
続編の予定があるのであれば、未解明の謎回収を期待したい。
キャラクター
個性溢れる鳥類をはじめとした動物達がコミカルに描かれている
鳥類という見た目だけでもインパクトのある本作だが、
キャラクターの中身も非常にコミカルに仕上がっている。
ギャグや冗談混じりの会話が多く、みていて飽きることはない。
このコミカルさは本ゲームの特徴として間違いなく謳える部分であろう。
動物なので表情筋がなく、終始無表情で展開されるシュールさも良い味を出している。
ちなみに、キャラクターデザインが鳥類や動物で作られている理由は
「鳥類や動物のビジュアルが魅力的で面白いから」とのこと。
ゲーム性
鳥が探索!調査!そして裁判!法廷アドベンチャーゲーム
主人公のファルコンと助手のスパロウソンは弁護士事務所を運営しており、
事務所に舞い込む様々な依頼を受けることになる。
ゲームの展開は、
【依頼者にヒアリング(会話シーン)→現場などを調査→時間がくれば裁判所へ】
という流れで進み、オーソドックスでとっつきやすいテキストアドベンチャー。
作者が『逆転裁判』のファンということもあり、
ゲームシステムだけでなくキャラクターのノリまで大きく影響を受けている。
逆転裁判が好きな人は、すんなりと本作に馴染むことができるだろう。
ゲーム要素は控えめ。キャラクターの会話劇を楽しめるかどうか
本作のゲーム要素と言える部分は簡単に分けると以下のような感じ。
①訪問・調査パート
②裁判パート
③ゲーム終盤のシナリオ分岐
各パートをそれぞれ紹介していく。
訪問・調査パート
事件の証拠品や情報を集めるため、色々な場所を訪問するパート。
背景をチェックして証拠品や痕跡を探す調査パートも用意されているが、
調査パートの回数や調べられる箇所が少ないので、ゲームを彩るフレーバー程度の要素。
このゲームの特徴としてキーとなる場所を訪問すると”1日時間が経過する”仕組みになっており、
雑な訪問や調査をしてしまうと、裁判の日までに証拠品や情報が集まらないこともある。
証拠品が集まらないと裁判で負けてしまうこともあるが、
本作にはゲームオーバーが存在せず、裁判の勝敗関係なく物語は次章に進む。
「時間経過システムに追われながら、訪問・調査するのって難しそう・・・」
と思うかもしれないが、
訪問できる場所はあらかじめ決まっていて迷いにくいし、
怪しい背景をチェックして証拠品を集める調査パートの難易度も低いので、
初見でも悩んだり困ったりすることは無いかな。
各章のプレイ時間は短く、やり直しても苦にならない長さなので、(早送り機能もあるし)
ダミーの訪問先や証拠品を多数用意した『訪問・調査パートのハードモード』があっても面白かったかも。
現状の調整だと時間経過システムはゲーム要素としてあまり機能していないと思われる。
裁判パート
訪問・調査パートで集めた証拠や情報をもとに裁判開始!!
ゲームプレイが一番盛り上がるキモとなるパートだ。
裁判パートはお堅いシーンが多いわけでなく、
コミカルな展開も混ぜながら事件の真相に向かっていく展開はまさに『逆転裁判』そのもの。
証人の証言を尋問して矛盾を指摘したり情報を引き出す内容自体は面白いのだが、
所持している証拠、証言の数、尋問後の展開が少なく裁判の内容が2転3転することもないので、
あっさりと裁判パートが終わってしまうのが少し物足りないと思うところ。
インディーゲームなので開発規模的なことを鑑みると仕方ない部分ではあるが。
また、前述でも触れたようにこのゲームは裁判パートで敗北してもゲームオーバーにならず次章に続く。その影響についても事項で紹介する。
裁判の勝敗によるゲームへの影響
裁判の勝敗に関係なくゲームは進み、物語の大筋は変わることなくエンディングまで到達する。
ただ裁判で起こった出来事は次章に引き継がれており、一部の会話内容が変わるようになっている。
裁判の展開や選択肢によっては、主人公のファルコンがド畜生なキャラクターになったりして面白い。
裁判の結果で会話内容が変わるのは作り手のこだわりが感じられる部分なので、
1周目で終わらずに2週目はふざけた裁判プレイをするのもオススメ。
ゲーム終盤のシナリオ分岐
シナリオの項目でも触れたが、最終章の4章は3パターンの展開に分かれる。
シナリオの内容がガラッと変わるのでどのパートも面白いが、分割して作成している影響か内容が短いので、個人的には分岐せず5章として濃く作ってほしかったかな。
周回プレイは遊びやすく作られており、各章の任意の日程を選択して再開できるので、
ルート分岐に手間がかからず快適に遊べるのはGOOD。
(ただし、確保している証拠品の状況によっては章の頭からプレイしないといけない可能性もあり)
完璧な日本語訳!めっちゃいい仕事してる!
日本語訳のクオリティはかなり高い。
キャラごとの特徴、ギャグや冗談などが完璧に日本人向けに調整されている。
目立った誤字脱字も見つからず、丁寧な仕上がりになっていると思う。
ログ機能がないのは不便・・・他、細かい仕様や要素
テキストアドンチャーなのに会話ログ機能がないのは残念ポイント。
面白い会話とかは見返したりしたいのに。
また、ゲームを進めるとキャラクター名鑑やサウンドテストが解放されたり、
ミニゲームのブラックジャックが遊べるようになったり、細かい部分で充実している。
音楽
オリジナル楽曲のほか、有名なクラシック曲を多数収録
オリジナル楽曲だけでなく有名なクラシック曲を多数採用している。
クラシック曲は本作にマッチしていて良い雰囲気を演出していると思う。
聴き覚えのある曲も多いので、ゲームクリア後はサウンドテストを利用してクラシック音楽を嗜むのも一興だ。
その他
コストパフォーマンス・価格適正度について
スチームで発売されている元値が1,480円ほどなので、
日本語ローカライズされたスイッチ版は2倍以上の値段設定になっている。
日本語訳のクオリティは間違いないが、ボリュームは変わらないのでこの価格帯は少し気になる。
DL版価格で2,800円以下で抑えられたらもう少し手が出しやすいかなと思う。
おわりに/総評
海外の逆転裁判ファンが手がけた鳥類達の法廷アドベンチャーゲーム。
2015年にスチームで発売され、7年の時を超えて公式翻訳でスイッチに登場!
ゲームシステムやキャラクターのノリが、逆転裁判の影響をかなり受けているので、
逆転裁判好きは間違いなく楽しめる作品だと思う。
システムがシンプルで、かつ気軽にテンポ良く遊べる内容になっていて、プレイヤーは負担なく遊べるが、全体的にあっさりした仕上がりになっているので、ゲームプレイが物足りないと感じる部分はあるかな。
2転3転する展開、尋問することで判明する新たな事実の連続、犯人の悪あがき・・・etc
あたりは逆転裁判でワクワクする部分でもあるので、
次回作があるのであれば、逆転裁判の良いところをどんどん吸収してほしい!
それでは、本レビューはこれにて終幕!
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