【ネタバレなし/ガチレビュー】ミステリーの歩き方

ミステリーの歩き方・・・(甘い囁きボイス


【基本情報】
商品名:ミステリーの歩き方
販売元:イマジニア
開発元:TOYBOX
ジャンル:ノベル型ミステリーアドベンチャー
プレイ人数:1人
ローカル/インターネット通信:なし

【公式サイト】
【公式】ミステリーの歩き方

【対応機種:発売日】
スイッチ:2024年12月12日

【販売形態】
ダウンロード,パッケージ

【DL版の容量】
スイッチ:2.2GB

【税込販売価格(税率は記事作成日時点)】
パッケージ版:5,980円
ダウンロード版:5,980円

【追加DLCの情報(記事更新日時点)】
◆2025年1月予定
・[無料]クリア後の『街ぶらシステム』でミニゲームの追加

【レビュー環境】
レビュー機種:スイッチ
プレイしたVer:1.00(2025年1月25日時点)
クリアプレイ難易度:難易度選択なし
クリア時間:15時間

【記事作成】
2025年1月25日

【記事更新】

本ゲームの採点の仕方について

①基本的には100点満点でクリアレビューしていきます
(3,500円以下の低価格ゲームは10点満点)
②価格適正度は5段階。ゲーム内容ではなく販売価格が適正かどうかの評価になります
③S〜Gは一定の点数で区切ったオススメランクです
④クリア時にプレイしていたアップデートVerを元にレビューしています
⑤採点は相対評価。レビュー点数は変動することがあります
⑥ゲームのネタバレとなる内容は避けております
他のゲームレビューを確認する(点数ごとにまとめた一覧ページへ飛びます)

俺のレビューランク
平凡ゲー
俺のレビュー点数
100点満点評価
価格適正度
5段階評価
【優/良/普/微/悪】
67
Meta score
海外メディアの
平均点
User Score
海外ユーザーの
平均点
Meta score
リンク飛び先
none none 海外版が存在しないためリンクなし

簡易評価まとめ

GOOD&BADポイント簡易まとめ

  • 会話による画面の動きが思ったより多く、アニメのように楽しめる
  • 過去視で得た情報を、証拠がない状態から尋問する流れが面白い
  • シンプルなテキストアドベンチャーで遊びやすい
  • キャラクターのノリがきつい
  • ボリュームは少なめ
  • 3部作構成のため一部謎は残ったまま(メインの謎は解決する)
  • このゲーム特有の刺激は特にない

総評

基本的には会話を眺めていくノベル型アドベンチャーなのでシンプルで遊びやすい。ボイスはフルボイスで力が入っているが、アニメキャラクターのようなノリや会話内容が、プレイヤーによってはしんどい部分になりそう。会話の途中で探索パートや尋問パート、特殊能力である『過去視』を使ったコマンド要素もあるが、自由度は低く自分で推理や探索を広げるタイプのゲームではない。全3部作の第1作目という事もあり、手を出しづらい面も少しあるか。

シナリオ

【あらすじ】ミステリー研究会に所属する主人公。ある課題のため田舎へ

大学1年生で主人公の『赤澤独歩』は、同期の『井沢幸太郎』の誘いもあって、ミス研ことミステリー研究会に所属することになり、そこで『南条アリス』『東野陽炎』らと出会う。ミス研の4人は担当教授からある課題を言い渡される。それは30年前に起こった殺人事件を犯罪心理学の観点から調査してレポートにまとめて報告しろとのこと。学ぶべき点が多い事件ということだが、事件の関係者達はまだ生きているのでデリケートな調査となる。事件の舞台は避暑地として人気な『鳴美沢』にある『山鳴荘』。ミス研の4人は列車に乗り現地へと向かう。

『赤澤独歩』は誰にも言えない特殊能力を持っている。物や人から”紫のオーラ”を感じ取る事ができ、オーラに触れると物や人に関する過去の出来事を体験する事ができる。赤澤はこれを『過去視』と呼んでおり、事件の調査でも活躍することになる。ただし、オーラの発生はコントロールできず、能動的には使用する事ができない。

本作のミステリーの方向性と3部作展開のメリットデメリット

▲ドラマやアニメのように、各章のはじめと終わりにはOP・ED・次回予告が挿入される

第1部となる、本作のミステリー展開は?

本作の軸となる事件は30年前に起きたものなので、作中でリアルタイムに発生する事件ではない。事件当時の殺害方法はシンプルかつ凶器も判明しているので、事件のトリックやアリバイを推理する方向性ではない。山鳴荘の住民たちの思惑や被害者との関係性を紐解き、事件の真相に迫っていくのが主な流れになる。なので、新たな殺人事件が次々発生して事件が重なっていくような展開にはならないので、そのようなミステリーを期待している人は要注意。

3部作構成のため、謎が残る部分も・・・

公式サイトでも予め触れられているように、『ミステリーの歩き方』は全3部作構成になっていて、本作が発売された時点では続編の発売日は決まっていない。次回作の展開が気になるところだが、現時点で発売タイミングが分からないのでモヤモヤする。他社ゲームの例だが、続編の展開を公表していないのに”蓋を開けてみれば未完結”なんてゲームもあるので、予め3部作構成と公表している『ミステリーの歩き方』は良心的と言えるだろう。買い手としては「1作では全ての謎が明らかにならないだろう」と危惧してしまうので、買い控えが起きてしまいやすいが・・・何とか3部作の発売を実現してほしい。

3部作構成の影響もあり、キャラクターの関係性や匂わせのある別の事件の謎などは明らかになってはいない。メインである『山鳴荘』の事件はちゃんと解決するので、ミステリー体験自体は問題なく楽しめる。

プレイ中のツッコミどころ

エンディング+クリア後の解放エピソードまでプレイしたが、事件に関する大きなツッコミどころはなかったかなと思う。「関係者に事件を伺うのはデリカシーの無い行動」「その証言を30年前にも触れていれば」「もっと別の角度から議論したい」と思うところが少しあった程度。また、第1部では『赤沢独歩』の特殊能力である『過去視』の存在を人に隠している状態なので、話のきっかけ自体は独歩が作るが、謎解きのゴールを有栖に気づかせるように誘導する展開が多いので、有栖がさも謎を解いたようにチヤホヤされているのを見るのはプレイヤー視点では少しやきもきするかも。(有栖自身は自分の手柄とは思っておらず、独歩を怪しんでいる)

キャラクターのノリや会話についてはツッコミどころというか癖が強く、プレイヤーによってはしんどいと思ってしまうかもしれない・・・キャラクターについては次項で紹介していく。

キャラクター

アニメ特有のノリと異常な距離感のキャラクターたち

まだ出会って日の浅いミステリー研究会のメンバーや現地で出会う初対面のキャラクター達は、異常に近い距離感とアニメチック(週刊連載のラブコメキャラみたいな)なノリとキャラ付けが強め。『ミステリーの歩き方』という硬派なタイトルからは想像できないノリだろう。礼儀のないキャラクターには少しイラッとくることもあるが、中盤以降はノリに慣れてきた自分もいた。各キャラクターの存在意義は次回作以降でより広がると思うので期待したい。

モブキャラも同様にノリがおかしい。殺人現場にリポーターがいないからといって、たまたま現地にいたアイドル(見た目派手)に中継を代わりにやらせ、中継を回収した後、スタジオでは事件の話には触れずに、リポーターを急遽務めたアイドルの詳細を番組内で何故か紹介。しまいには、殺人事件が起きた『鳴美沢』に旅行したいというアナウンサーの発言。中々狂ってる会話シーンだと思った。

システム

会話を読み進めるシンプルなノベル型アドベンチャー

▲会話にあわせてキャラクターが動くシーンも多いので、アニメみたいに眺められる

本作には特別尖ったシステムは無く、キャラクターの会話を読み進めていくシンプルなノベル型のアドベンチャーゲームとなっている。なので、謎解きゲームや推理ゲームが苦手と言う方でも詰むことなく安心してプレイできるだろう。会話はフルボイス力が入っている。

自主的な探索要素はない。過去視でレトロ風アドベンチャーを体験?

ゲームの基本要素

▲会話の流れで、尋問したり推理したりするパートもある

基本的にはフルボイスの会話を読み進めていく形になるので、コントローラーから手を離していても問題ない。場合によっては、辺りを調査したり、相手を尋問したり、選択肢を選ぶ多少のコマンド要素はあるが、プレイヤーが能動的にアクションを起こすわけでは無く、会話の流れからそのまま移行するスタイル。調べる箇所はシンプルだし、尋問についても会話の流れや主人公の『過去視』をなぞる形で問いかけるので難しくはない。自分の操作で証拠を集めたり推理することを望むプレイヤーにとっては本作のシステムでは物足りないと感じるだろう。

特殊能力『過去視』を使ったレトロ風アドベンチャー

▲過去視ではファミコンのゲームのようなコマンドアドベンチャーを体験できる

主人公である『赤沢独歩』が使える特殊能力。人や物が放つ紫のオーラ(思念)を視認する事ができ、オーラに触れると対象物に関連する過去の出来事を体験する事ができる。ただし、過去視の任意発動はできず、オーラは突然目の前に現れる事が多い。過去の映像は”解像度が低い”と言う設定もあり、ファミコンのようなレトロライクなアドベンチャー画面へと場面が変わる。

過去視のレトロ画面では、”移動・調べる・話す”などのコマンドができるようになり、現実世界よりコマンド選択の自由度は上がるが、最初から様々なコマンドを使えるわけでは無く、進行度に合わせてコマンドが解放されていく形なので、親切設計ゆえに迷うところは少ない。現状はシナリオ設定上の演出程度に収まっている感じはあるので、次回作以降の過去視システムの拡張を期待したい。

基本システムは問題ないが、微妙に使いづらい点も目立つ

ノベル型アドベンチャーの基本システムは一通り揃っているが、

  • ログから直接TIPSに飛べない(会話中に発生したTIPSは+ボタンから確認できる)
  • ログやメニューを開くとオート再生が止まる
  • テキストとリンクして流れるアニメーションが、ログを開くと何故か最初から再生される。バグでは無く仕様の可能性もあり?
  • オート再生ボタンを押すと、今流れているテキストが途中にかかわらず送られてしまい、次のテキストが表示されてオート再生が適用される

ゲームの評価を落とす要素までとはいかないが、似たようなシステムのゲームでは体験したことがない仕様だったので、この辺りはもう少し調整して欲しかったところ。

音楽

基本的には環境音。OPとEDは気合入ってるのが伝わる

OPは映像のオシャレさも相まってGOOD。これから始まるミステリー物語に胸躍る。

本編中の音楽は基本的には環境音で構成されているので収録曲は多くはないが、過去視が始まる時には何故かイケイケな音楽が鳴り始める。過去視が発動する状況と音楽のノリが噛み合ってないような気がして、突然の勝ち確BGMみたいなテンションに笑ってしまう。

その他

コストパフォーマンス/価格適正度について

正直、少し高めかなと思う。
ミステリーアドベンチャーのゲームジャンルはインディーゲームでも多く、低価格で高ボリュームなゲームも増えてきている。特別なゲーム体験がない作品で10時間+αほどのボリュームだと、6000円弱は今の価値観で言うと高く感じやすいかも。

完全新規プロジェクト+フルボイスでの、3部作展開という熱い心意気は伝わる。

おわりに

メダロットやフィットボクシングが有名なイマジニアが贈るミステリーアドベンチャー。全3部作の1作目と言うこともあり、少し手を出しづらいところもある。メインとなる事件は本作だけでも完結はしているので安心だが、各キャラクターの謎や裏側で動きのある事件などは次回作にも引き継がれる様子。

『ミステリーの歩き方』というタイトル名から、ベタなトリックや謎解きにおける基本的な考え方などを個人的には丁寧に教えて欲しいなとも思うので、謎解きアドベンチャーのファンが増えるような作品となることを期待したい。

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