【ネタバレなしガチレビュー/評価】ICEY(アイシー)

かつてないメッタメタのメタメタアクションゲーム


【基本情報】
商品名:ICEY
販売元:X.D. Network
開発元:FantaBlade Network
ジャンル:横スクロール型2Dアクション
プレイ人数:1人
ローカル/インターネット通信:なし

【公式サイト】
ICEY 公式Twitter

【対応機種:発売日(日本語版)】
スイッチ:2018年5月31日
Steam(Win,Mac):2018年8月17日
ios:2018年8月17日
Android:2018年8月17日

【販売形態】
ダウンロード

【DL版の容量】
Steam:6GB
スイッチ:1.7GB
ios:1.2GB
Android:未確認

【税込販売価格(税率は記事作成日時点)】
Steam:1,180円
スイッチ:1,000円
ios:480円
Android:$2.99

【追加DLCの情報(記事更新日時点)】
なし

【レビュー環境】
レビュー機種:スイッチ
プレイしたVer:1.05(2023年2月8日時点)
クリアプレイ難易度:ノーマル
クリア時間:4時間
総プレイ時間:5時間

【記事作成】
2023年2月8日

【記事更新】

俺のレビューランク
平凡ゲー
俺のレビュー点数
10点満点評価
(低価格ゲーム)
価格適正度
5段階評価
【優/良/普/微/悪】
6
Meta score
海外メディアの
平均点
User Score
海外ユーザーの
平均点
Meta score
リンク飛び先
74 7.8 ICEY_Meta scoreリンク
本ゲームの採点の仕方について

①基本的には100点満点でクリアレビューしていきます
(3,500円以下の低価格ゲームは10点満点)
②価格適正度は5段階。ゲーム内容ではなく販売価格が適正かどうかの評価になります
③S〜Gは一定の点数で区切ったオススメランクです
④クリア時にプレイしていたアップデートVerを元にレビューしています
⑤採点は相対評価。レビュー点数は変動することがあります
⑥ゲームのネタバレとなる内容は避けております
他のゲームレビューを確認する(点数ごとにまとめた一覧ページへ飛びます)

↓以下ガチレビュー

GOOD & BADポイント 簡易まとめ

・裏方のナビゲーターがプレイヤーに関与してくる独特の演出
・進め方によってプレイヤーの立ち位置が変わるインパクトある仕掛けが面白い
・シンプル操作で手軽に楽しめる”2D横スクロールスタイリッシュアクション”

・戦闘、攻撃アクションはシンプルで遊びやすいが底は浅い
・全体的に単調なゲームプレイ

シナリオ

【あらすじ】”ユダ”を倒す使命だけを与えられている記憶のない少女

生命維持装置から目を覚ます少女『ICEY』。
記憶のない少女に課せられた使命は、世界を混沌に落とし込んだ『ユダ』を倒すこと。
『ユダ』の居場所まで案内してくれる偵察機械の『ナビゲーター』と共に、
世界を取り戻すため歩みを進める。

俺がICEYでICEYはゲームで・・・第四の壁を超えてくる過激な演出!

▲ICEYの上空で浮遊している小さい機械がナビゲーター。ユダまでの道のりを案内する役割を持つ

『ICEY』の本質はメタ要素にこそある。プレイヤーはナビゲーターの指示に抗い、「ゲームとは」「真相とは」といった命題と向き合うことになる。『ICEY』の中で、君が演じるのはICEYであり「君自身」ではない。
しかしそれすらも絶対ではなく、君は「君自身」を演じ、「君自身」としてICEYを操作することもできる。
そう、これはアクションゲームの皮をかぶった罠なのだ。

引用:ICEY ストア紹介ページより

このゲームの公式紹介文。プレイするまでは意味深な表現で分かりづらいが、
ゲームを少し遊ぶだけで紹介文の意味はスッと分かってくる。
シナリオを語るナビゲーターの指示通りにユダを倒すことを目指せば『ICEY』は自分自身になり、ナビゲーターの指示に反すれば、自分は『ICEY』というゲームをプレイしている自分自身そのものになる。
ゲームの向き合い方によって2つの側面が演出されるなんとも不思議なゲームである。

▲ナビゲーターの指示に反すると発狂し出してプレイヤーを否定してくる

目的となるユダ討伐を目指せばゲーム内の物語として完結するが、
目的に反した行動を起こすと、ナビゲーターがゲーム内の『ICEY』ではなく、
現実のプレイヤーに干渉する”第四の壁を超えた(※)”メタフィクション展開が繰り広げられる。
メタ的な展開や発言は、どちらかというと”冷める・寒い要素”になりやすいが、
このゲームはメタ的な要素が絡むことを前提として構成されているので、
他ゲームで見るようなメタ展開と比べても嫌悪感は抱きづらいだろう。
メタギャグなところも個人的にはすんなりと楽しめた。
とはいえ、ギャグ漫画のような過剰なリアクションが多めなので、馴染めない人は一定数いるだろう。このノリや展開があわなかった場合、『ICEY』の価値はその人にとってはほぼゼロになってしまうかもしれない。

第四の壁
舞台(この場合はゲーム側)と観客(この場合はプレイヤー側)を隔てる概念上存在する壁のこと

”ユダ”への興味は抱きにくい。そしてICEYと向き合うとき・・・

「ユダとは何か?なぜ世界が破壊されているのか?」
ICEYの世界の本題の部分ではあるが、正直『ユダ』については興味が抱きにくく、倒すための目的意識は持ちづらかった。ゲーム内での説明が積極的に用意されていないので、普通にプレイしていたらこの世界については何も分からずで終わるだろう。
(一応、世界設定の説明があるにはあるが、プレイヤー側がかなり努力しないと内容を追えない)

『ユダ』よりはプレイヤー側に干渉してくる物語の方が主張が強く興味を惹かれやすい。
『ICEYというゲーム』をプレイし終えた時、プレイヤーに待ち受ける事とは・・・!?
是非ともICEYをプレイしてメッセージを受け取ってほしい。
(人によっては悲しくなるかもしれない・・・)

キャラクター

記憶のない少女『ICEY』と行動を共にする『ナビゲーター』

このゲームの主要キャラクターは主人公である『ICEY』と
ICEYの冒険をサポートする『ナビゲーター』の二人だけ。
『ICEY』は無口で戦闘中ですら声は発さない。
基本的には『ICEY』の上空を浮遊している小型偵察機械の『ナビゲーター』がしゃべりまくる。

ゲーム性

演出面以外はかなり平凡なアクションゲームで語れる部分が薄い

シナリオの項目で紹介した”第四の壁を超えた独特な演出”以外は、
改めて語る必要がないほどオーソドックスな2Dアクションゲーム。
弱攻撃と強攻撃を組み合わせた連携攻撃ができ、ダッシュでスピーディーなキャンセル行動ができるスタイリッシュ仕様で作られている。
ダッシュは空中での使用が可能で、かつ8方向自由に動けて爽快感がある。
また、敵の攻撃に合わせてダッシュをすると『ジャスト回避』が発動して、
スローモーションからの追い討ち攻撃を任意で発動できる。
ただし、戦闘中に限りダッシュを使用すると専用ゲージを消費してしまうので、脳死ダッシュはできないように調整されている。ダッシュを使った立ち回りはプレイヤーごとのセンスが試されるポイントだ。(ゲージは時間で自然回復する仕様)
ちなみに、左下方向の空中ダッシュ何故か効かない。これはバグなのか仕様なのか・・・

戦闘アクション周りは及第点はあると思うが、アクションの幅は狭く、敵のバリエーションや攻撃の駆け引きシーンが多いわけでもないので、特筆して語るところは正直ない。
アクション周りに重きを置いている人は楽しめないかもしれない。

装備を変えたりすることでアクションの変化などがあると良かったかも。
お金を使ってスキルを解放する要素も一応あるが、ゲームの短さ的に最初から全解放状態でも良かったと思う。ただ煩わしいだけの要素と化していた。

また、エリア探索は完全な一本道というわけではなく、ある程度の分岐ルートは存在するが気持ち程度。メトロイドヴァニアのような探索要素が充実しているわけではない。
用意されたルートも探索が楽しめるというよりは、特別なメタ演出を隠しておくための要素に留まっている感じ。

音楽

正直プレイしていて特別印象に残る楽曲はなかった。
ゲームの雰囲気やプレイを損なう曲も無いので、良い面でも悪い面でも特筆する点は無い。

その他

コストパフォーマンス/価格適正度について

かなり低価格で遊べ、それなりのインパクトを貰えるゲームなのでお得感はある。
ボリューム的にもメインで遊べるゲームにはしづらいが、
ちょっとした気分転換や別ゲーの合間にプレイするゲームとしてはちょうど良いだろう。

おわりに/総評

ゲームにおけるメタ的な演出は(主にギャグテイストなもの)、ゲームの世界に入り込んでいればいるほど、ノリについていけず寒い要素と化してしまいがちだが、ICEYは最初からメタ演出前提で構成されていることもあって、そういった部分も楽しめた。
なんならメタ的な部分は『ICEY』というゲームの謎を語る上で外せない重要なファクターとなっていて、独特な味がするゲームだった。
しかし、それ以外は平凡的なゲームなので、全体として評価すると凡ゲーかなと思う。
一発芸が光った作品という見方。

価格が1000円と安くて手に取りやすいので、
独特なゲームを楽しみたい方や他ゲーの箸休めとしてプレイするのもオススメ!

アマゾンリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました