現実にある墨田区の都市伝説を舞台にした、ホラーミステリーアドベンチャー!
【基本情報】
商品名:パラノマサイト FILE23 本所七不思議
販売元:スクウェア・エニックス
開発元:スクウェア・エニックス
ジャンル:ホラーミステリーアドベンチャー
プレイ人数:1人
ローカル/インターネット通信:なし
【公式サイト】
・パラノマサイト_公式サイト
【対応機種:発売日】
スイッチ:2023年3月9日
Steam(Win):2023年3月9日
ios:2023年3月9日
Android:2023年3月9日
【販売形態】
ダウンロード
【DL版の容量】
スイッチ:681MB
Steam:2GB
ios:683MB
Android:未確認
【税込販売価格(税率は記事作成日時点)】
スイッチ:1,980円
Steam:1,980円
ios:1,900円
Android:$18.99
【追加DLCの情報(記事更新日時点)】
なし
【レビュー環境】
レビュー機種:スイッチ
プレイしたVer:1.0.0(2023年4月24日時点)
クリアプレイ難易度:選択なし
クリア時間:13時間(真エンド)
【記事作成】
2023年4月24日
【記事更新】
2024年10月12日 『シナリオ』レビュー内容修正
①基本的には100点満点でクリアレビューしていきます
(3,500円以下の低価格ゲームは10点満点)
②価格適正度は5段階。ゲーム内容ではなく販売価格が適正かどうかの評価になります
③S〜Gは一定の点数で区切ったオススメランクです
④クリア時にプレイしていたアップデートVerを元にレビューしています
⑤採点は相対評価。レビュー点数は変動することがあります
⑥ゲームのネタバレとなる内容は避けております
・他のゲームレビューを確認する(点数ごとにまとめた一覧ページへ飛びます)
俺のレビューランク 良ゲー |
俺のレビュー点数 10点満点評価 (低価格ゲーム) |
価格適正度 5段階評価 【優/良/普/微/悪】 |
---|---|---|
8 | 良 |
Meta score 海外メディアの 平均点 |
User Score 海外ユーザーの 平均点 |
Meta score リンク飛び先 |
---|---|---|
85 | 7.1 | パラノマサイト_Meta scoreリンク |
↓以下ガチレビュー
GOOD&BADポイント簡易まとめ
・キャラデザ、キャラの雰囲気など、キャラクター周りの質が高い
・実際にある怪談をベースとしているのでシナリオ設定に入りやすい
・価格以上に楽しめる低価格ゲーム
・インパクトのあるギミック
・読みやすいテキスト
・最終盤の対峙〜決着への展開があっさりめ
・盛りに盛っているシナリオ設定に対してゲームシステムへの反映が少ない
・謎解きやギミックに対して勘づいちゃうようなヒントが強め
シナリオ
【あらすじ】”甦りの秘術”を求めて、それぞれの思惑が交差する
カラーテレビ、ファックスが普及しはじめた昭和時代。
世間では空前のオカルトブームが到来。その中でも『新石教授(あらいし)』が発表した、
死者を甦らせる事ができるという”甦りの秘術”が話題の中心。
オカルト好きな『福永葉子』は、”甦りの秘術”は『本所七不思議』という怪談に関係があると言い、葉子の知り合いである『興家彰吾』は怪談の一つである”置いてけ堀”の調査に付き合う。
”置いてけ堀”に関係があると思われる夜の公園で探索を始めるが、、、、
2人は秘術をめぐった命の取り合いに巻き込まれることになる。
実在する怪談『本所七不思議』をベースに物語を拡張。呪術による殺し合いも!?
実在する怪談話をパラノマサイト用に拡張
墨田区の南側(旧名:本所)に伝わる『本所七不思議』の怪談をベースにして、『パラノマサイト』用に物語を拡張している。
実在する怪談の”置いてけ堀”や”馬鹿囃子(ばかばやし)”などには、現代に伝わっていない真の意味が存在しており、物語を進めることで怪談の真相が明かされていく。
怪談自体は実際に存在する話だが、隠された真の意味自体は『パラノマサイト』用に作られたフィクションなのでその点は注意。実在する怪談の詳細を楽しみつつ、拡張されたフィクション部分が良く出来ているので、『本所七不思議』の魅力がより際立つ仕上がりになっている。
ゲームの舞台が実在する場所ということもあり、ゲームに入りやすいのも良い点だろう。
エンディングを迎えた後は、墨田区で聖地巡りしたくなること間違いなし。
怪談が伝わる各地に封印された呪術。呪術で人を殺し、甦りの秘術を求める
『本所七不思議』が伝わる各所には、人を呪い殺す事ができる呪術が封印されている。
(呪いの設定はもちろんフィクション要素)
呪いに取り憑かれてしまった人は『呪主(かしりぬし)』となって”呪術”が使えるようになり、
人を呪い殺すことで手に入る滓魂(さいこん)を溜める事ができる。
滓魂が最大まで溜まると”甦りの秘術”が使える事を『呪主』達は瞬時に理解する。
この呪術の設定が、本作において重要な役割を持っていて、『パラノマサイト』の魅力をワンランク上げているポイントだ。
”呪術者VS呪術者”といった少年漫画のような設定が、シナリオ展開にどのように絡むのか、キャラクターの思惑や心理戦にどのように影響するのか、ワクワクしながらゲームを最後までプレイする事ができた。
しかし、期待していたよりは呪術を使った殺し合いや心理戦の描写が少なかったので、この辺りは少し物足りないと感じる部分でもあった。
良く出来たホラーミステリー!最終盤は少しあっさりに感じる部分も
最初の導入部分ではホラー要素が強めに演出されているが、以降はミステリー要素が強めに進行していくので、ホラー要素を期待している場合は物足りないと感じるだろう。
また、事件の手口はオカルト現象を前提として推理するので、現実的なミステリーを望んでいる人にとっては『パラノマサイト』はハマれないかもしれない。
ミステリー部分は良く練られているし、プラスオンしたホラー要素は良い感じで刺激になっていて、退屈を与えない良質なホラーミステリーに仕上がっていると思うので、食わず嫌いせずにプレイしてもらいたい!
本所七不思議の真相、各キャラクターの思惑、呪術バトル、甦りの秘術・・・
一つ一つの謎要素が大きく、謎が明らかになって解決に向かっていく過程はすごく気持ちが良いが、最後の駆け引きはあっさり目で終わってしまった印象。終盤の流れ的にもうひと展開あると思っていただけに、簡単にケリがついてしまい肩透かし。
その後の締めとなる、残っていた謎の解明や真エンドの流れなどは完成度が高くて気持ちよくクリアできた。最後に用意されたギミックも楽しめたので、このゲームの満足度は高い。
キャラクター
個性あふれるキャラクター!どのキャラクターも好きになる事間違いなし
ゲームのジャンルがホラーミステリーなので、みんな控えめな性格に調整されているかなと思ったが、どのキャラクターも個性が強く、ユニークな性格をしていて楽しい。
ボケ・ツッコミのシーンが多く、「ゲームの雰囲気を壊すんじゃない?」と思うところもありそうだが、絶妙なテキストセンスで嫌悪感や不快感はなかった。
ギャグ要素を下ネタで広げる作品もありがちだが、『パラノマサイト』はそういったこともなく非常に好印象。
キャラデザについても個人的に好きな部類。
絵柄が古臭くなく、萌え萌えすぎず・・・でもかわいい、ホラーを害さないデザイン。
万人受けしやすい絵柄だと思う。
また、本作にはキャラボイスは搭載されていない。個人的にはあっても無くてもどちらでも良いが、キャラクターの性格や台詞回しが良い分、ボイスがある事で映える場面もあったかもしれない。
ゲーム性
探索要素はカジュアルなアドベンチャー。360度見渡せる独特なシステムも!
文章をつらつら読んで進めていくノベル型ではなく、探索エリアを移動したり、画面内の怪しい場所を調べて探索するアドベンチャー要素を搭載。
画面を調べる探索パートでは、画面を360度ぐるっと見渡すことのできるシステムが実装されていて、「これは濃い探索要素を楽しめるのかな?」と期待してしまうが、超常現象のオカルトベースでシナリオが展開される影響もあってか、物理的な証拠が沢山落ちているわけでも無いので、細かく探索することはほとんどない。探索エリアも色々用意されているが、基本的にはキャラクターとの会話イベントが少し用意されている程度。
探索要素の選択肢は狭く悩むところが少ないので、”色んなところを調べて証拠を集め、詰めていくミステリーゲーム”を期待すると物足りないと感じるかもしれない。
ゲーム性に探索要素がガッツリ関わっているというよりは、プレイヤーが能動的に行動できる要素を用意してゲームの雰囲気作りに貢献している感じ。
(一部分かりにくい探索箇所があるので、人によってはそこでグダる可能性あり)
探索要素はカジュアル調整のおかげでテンポよく気軽にプレイできるので、誰にでもおすすめしやすい仕上がりになっていると思う。
個人的には360度システムやエリア移動を駆使した探索要素がもう少し濃くても良かったかも。
また、360度システムは探索だけでは無く、ホラーゲームの魅力UPにも繋がっていて面白いなと感じた。
ほら、、、あなたの後ろにも、、、
刺激のあるギミックを体験せよ!ただし、ヒントの匂わせが強すぎて難易度は低めに感じる
ゲームを進めると他キャラクターの視点が開放されるので、複数のキャラクターを切り替えながら時系列順にエピソードを開放していくことになる。
基本的には真っ直ぐ攻略するだけなのですんなり進むが、各キャラクターパートで得た情報を別のキャラクターパートで利用する”プレイヤー介入型のギミック”が用意されている。ギミックの難易度は低めで数も多くはないが、ゲームの雰囲気に深みが出ており、かつ刺激のあるギミックだったのでプレイしていて楽しかった。
中にはちょっと捻りのあるギミックもあるので、プレイヤーによっては苦戦するところもあるかもしれない。ただ、ヒントというか謎に対して解決方法の匂わせが強く、ゲームに慣れている人ほど感覚で謎が解けてしまうような部分もあるので、この辺りは難易度調整を用意して匂わせが少ないハードモードが欲しかったなと思うところ。
殺し合いの呪術バトル!心理戦が楽しめるかと思いきや・・・
シナリオの項目でも紹介しているが、呪いに選ばれ『呪主(かしりぬし)』となったキャラクター達はそれぞれ固有の”呪術”を扱う事ができる。
呪術の発動条件は異なるので、相手を呪い殺すにはそれなりのタイミングや準備が必要になる。
呪いの条件を満たした際に、ボタンで呪術を任意的に発動できるシステムがあるので、呪術バトルパートが用意されていて心理戦が楽しめるのかなと思っていたが、基本的にはシナリオ上の都合やゲームの演出程度でしか用意されておらず、バトルシステム要素はほぼ無かった。
呪術をプレイヤーの意思で自由に使って、色んなエンディングを目指せるゲームと思っていたので少し残念。(呪術要素はシナリオ上では大切な役割をもっている)
音楽
不気味音楽がいい味出してる
雰囲気作りにフォーカスを当てているような曲が多く、ゲームの演出に一役買っていたと感じる。
中でもホラーシーンで流れる曲は不気味さが際立っていて良かった。
その他
コストパフォーマンス/価格適正度について
低価格で質の高いホラーとミステリーが楽しめて、驚きギミックも搭載されている『パラノマサイト』のコスパは非常にGOOD!寝る前や他ゲームの合間など、ちょっとした時間でも楽しめるので、気軽に買っても問題ない。
おわりに/総評
ニンテンドーダイレクトでシレッと発表されたときは、どんなゲームか分からず注目度も低かったと思うが、刺激のある作品かつ低価格で遊べて中々良かった!
テキストが読みやすいのも魅力で、分かりにくい言い回しや読みにくいところは特に無かった。
価格が倍になってもいいので、話をの規模をもう少し大きくしたり、探索要素を強化した大ボリュームのパラノマサイトを遊んでみたかったかも。(作品が面白かったからこそ言える結果論みたいなものですが)
ギミック周りはヒントの匂わせが強めだったので、あっさり閃いてしまって達成感が薄かったものの、ギミック自体は面白かったので体験する価値はあると思う。
序盤はホラー、序盤後半以降はホラー少なめミステリー多めな構成だったので、個人的にはもう少しホラー要素が混ざっていて欲しかった。その方がドキドキも増えて、より刺激的な作品になったかと思う。(ホラー演出が苦手な人のためにオプションで強弱があるとなお良いかも)
墨田区×パラノマサイトのコラボ情報
墨田区の観光サイトに『パラノマサイト×墨田区×月刊ムー』がコラボして、『本所七不思議』を取り上げているので、パラノマサイトをクリアしたら、実際に墨田区に行って”甦りの秘術”を探そう!
アマゾンリンク
※ゲーム本編は各種ストアでご確認ください
コメント
ネタバレなしとか書いてるくせに、終盤が微妙とか完全にネタバレでやる気無くした
オチをバラしているわけではないのと、記事にもあるように「締めの内容自体は問題ない」ので楽しめると思います。
最後の展開は”RPGで言うラスボス的存在”とがっつり戦って倒す。という感じではなかったので(個人的には)、その辺りをあっさりめなラストと感じるかはプレイヤーによるかなと思います。
全体でみて良ゲーなので、遊ぶゲームが無い時は試してみてください。(価格帯も安いので!)
主さんは真エンドはプレイされましたか?
ノーマルエンド5つのみだと終わりがあっさりに感じますが、真エンドを見ると今までのストーリーが嘘のようで(真偽は…)すごい納得してゾクゾクとしました。
真エンドはクリア済みで、最後に入手できるファイルも取得しています。
>真エンドを見ると今までのストーリーが嘘のようで(真偽は…)すごい納得してゾクゾクとしました。
この部分は私も同意で楽しめました!
本記事ではその一つ前の黒幕との対峙にもう少し展開が欲しかったということを言いたかったのですが、「こさん」のコメントで頂いたように「エンディングが物足りない」という捉え方ができてしまうので、記事内容少し修正しました。
コメントありがとうございます。