数多くのプレイヤーを”恋と恐怖”で包んだ怪作がついに家庭用ゲーム機で発売!
【基本情報】
商品名:Doki Doki Literature Club Plus!(ドキドキ文芸部プラス!)
販売元:Serenity Forge、PLAYISM
開発元:Team Salvato
ジャンル:テキストアドベンチャー、サイコホラー、恋愛アドベンチャー
プレイ人数:1人
【公式サイト】
・ドキドキ文芸部プラス! 公式サイト(英語のみ)
・ドキドキ文芸部プラス! 公式サイト(PLAYISM)
【対応機種:発売日】
XBOX(ONE,X|S):2021年6月30日
STEAM(Win,Mac):2021年7月1日
EPIC(Win,Mac):2021年7月21日
スイッチ:2021年10月7日
PS(4,5):2021年10月7日
【オリジナル版の対応機種:発売日】
公式サイト(Win,Mac):2017年9月22日
STEAM(Win,Mac):2017年9月22日
※非公式の日本語パッチが存在する
【販売形態】
ダウンロード、パッケージ
※パッケージ版はスイッチ、PS4、PS5で発売
【DL版の容量】
XBOX(ONE,X|S):未確認
STEAM(Win,Mac):3GB
EPIC(Win,Mac):3GB
スイッチ:2.2GB
PS(4,5):未確認
【税込販売価格(税率は記事作成時点)】
XBOX(ONE,X|S):1,750円
STEAM(Win,Mac):1,520円
EPIC(Win,Mac):1,520円
スイッチ:1,980円
PS(4,5):1,980円
※パッケージ版は4,200円
【DLCの有無(記事更新日時点の情報)】
なし
【レビュー環境】
レビュー機種:スイッチ
プレイしたVer:1.0.1(2021年10月17日時点)
クリアプレイ難易度:難易度選択なし
クリア時間:約6時間(ノーマルエンド)
やりこみ時間:約15時間(コレクション収集、真エンド)
【記事作成】
2021年10月17日
【記事更新】
①基本的には100点満点でクリアレビューしていきます
(3,500円以下の低価格ゲームは10点満点)
②価格適正度は5段階。ゲーム内容ではなく販売価格が適正かどうかの評価になります
③S〜Gは一定の点数で区切ったオススメランクです
④クリア時にプレイしていたアップデートVerを元にレビューしています
⑤採点は相対評価。レビュー点数は変動することがあります
⑥ゲームのネタバレとなる内容は避けております
・他のゲームレビューを確認する(点数ごとにまとめた一覧ページへ飛びます)
俺のレビューランク 良ゲー |
俺のレビュー点数 10点満点評価 (低価格ゲーム) |
価格適正度 5段階評価 【優/良/普/微/悪】 |
---|---|---|
8 | 良 |
Meta score 海外メディアの 平均点 |
User Score 海外ユーザーの 平均点 |
Meta score リンク飛び先 |
---|---|---|
85 | 8.3 | ドキドキ文芸部プラス!_Meta scoreリンク |
話題の”恋愛×サイコホラー”ゲーム『ドキドキ文芸部プラス!』をプレイ。
・ゲームの舞台が日本の高校
・女の子のビジュアルが日本デザインっぽい
ところから和ゲーかな?と思いがちだが、
本作はガチガチの洋ゲーである。
日本語翻訳のクオリティや遊びやすさにも注目したい。
また、本作を恋愛ゲームと勘違いして遊んだ場合
それなりのギャップやインパクトがあるので、本作をより楽しむ要因となる可能性もあるが、
人によっては不快になる可能性があり、かつお金が発生するコンテンツなので、
本サイトでは本ゲームのジャンルが『サイコホラー』に属している点については予め触れておく。
(ゲーム内容のネタバレはないです)
↓以下ガチレビュー
GOOD & BADポイント 簡易まとめ
・恋愛×サイコホラーで展開される独特な雰囲気のゲーム
・サクッと遊べる手軽さ
・キャラクターが良い
・日本語翻訳のクオリティが高く安心して遊べる
・パッケージ版は価格が高め
・一部コレクションの回収がだるめ
・PC版でのギミックが家庭用ではイマイチ発揮できず
・意味深な発言や謎解きがあるが、大半は思わせぶりなだけ
・家庭用コントローラー操作への最適化は特にみられない
シナリオ
【あらすじ】帰宅部だった俺が幼馴染に誘われて4人の女の子がいる文芸部に入って
幼馴染の『サヨリ』に誘われて文芸部に入ることになった主人公。
そこで『モニカ、ユリ、ナツキ』と出会うことになる。
文芸部での活動をしながら4人の女の子と交流し、文化祭に向けて文芸部の活動をこなしていく。
主人公を含めた5人の学校生活が文芸部を通してはじまっていくのだが・・・
恋愛ゲームの皮を被った狂気展開がプレイヤーを襲う
ドキドキ文芸部は、ビジュアルや謳い文句から『恋愛ゲーム(ギャルゲー)』に見えるが、
中身はホラー展開モリモリの狂気ゲーだったりする。
PCで遊べるオリジナル版は無料提供ということもあり、
あえてホラー内容には触れず何も知らないプレイヤーを恐怖に落とすという事ができるが、
本作の『ドキドキ文芸部プラス!』をプレイするには購入金額が発生する分、
ジャンル詐欺をすることはできないので公式や各種メディアも本作のホラー展開については最初から触れている。
ホラーと言ってもソンビや幽霊が出てくる類のものでなければ、
皆で殺し合う残虐性のあるバトロワでもない。
これらには属しない独特なホラーテイストが魅力。
「うわっ!(ビクッ)」という怖さよりは、
「え?(ゾワッ)」という怖さが多い。
ネタバレになるため恐怖演出については語れないが
ゾワゾワ系の恐怖感や一味違った演出を味わいたい人にはオススメしたい。
【注意点】
・出血表現あり
・PS4、PS5版は出血表現に規制あり
・不安を煽る表現があるため、精神状態によってはプレイを気をつける必要あり
キャラクター
個性あふれる4人の女の子。全部可愛い
リーダ気質があってゲームの進行役である『モニカ』
幼馴染でアホ、天然属性を持つ『サヨリ』
大人しくて読書好きな『ユリ』
ツンデレで後輩の『ナツキ』
それぞれ全く違う性格で個性が強く、どのキャラクターも会話を読んでいて楽しい。
本作のシナリオは決して長いものではないが、
短い中でも各キャラクターの魅力が十分伝わる構成になっているのは流石。
また、ゲームを進めていると各キャラクターの”悩み”についても知る事ができる。
人とのコミュニケーション、自己表現、生きる意味・・・など。
悩みがデリケートなので、同じような悩みを持っている人には思うところがあるかもしれない。
ゲーム性
基本はシンプルなテキストアドベンチャー
ボタンで文字送り、既読テキストのスキップ、オート再生、ログ表示、セーブ&ロードなど
基本的なシステムを搭載し、テキストを読んで進めていくシンプルなアドベンチャーゲーム。
キャラクターとの会話の中で発生する選択肢を選んで物語を進めていく。
また、初期設定ではテキストボックスの大きさが最小設定になっていて文字が見づらいので、
最初はオプションを開いてテキストボックスを大きくすることをオススメする。
▲好きな単語を選んで”詩”を作るミニゲームも。部員が気に入ってくれるような詩を作ろう
家庭用コントローラーにあわせた操作の最適化は実装されておらず、
ログ閲覧やセーブなどはワンボタンで使用する事ができない。
欲を言えば家庭用発売にあわせてプレイしやすくなるような調整がほしかったところ。
(スイッチではジョイコンの片手操作ができないのが残念。地味にタッチパネル操作には対応している)
日本語翻訳のクオリティが高い
見た目ではわかりづらいが、本ゲームは和ゲーではなく洋ゲー。
そのため元々は英語で展開されているゲームとなる。
オリジナル版は有志による非公式の日本語パッチが存在したが、
今回の『ドキドキ文芸部プラス!』では、家庭用ゲーム機Verの販売を担当するPLAYISMが、
非公式の日本語パッチをベースに調整や修正を加えたものとなる。(※)
俺は元の『オリジナル版×非公式日本語パッチ』をプレイしていないため細かい比較はできないが、
少なくとも『ドキドキ文芸部プラス!』では、日本語に違和感を覚える事なく最後までプレイする事ができた。
キャラクターの口調や言い回し、読みやすさ、完璧なローカライズと言えるのではないだろう。
※)10月に発売したスイッチ版とPS版は最初からPLAYISM製の日本語対応になっているが、
10月より前に発売しているプラットフォームについてはPLAYISM製の翻訳が適用されていないので注意。
10月に配信されているアップデートファイルを適用する事で、PLAYISM製の翻訳で楽しめる事ができる。
真エンドは消化不良。思わせぶりな表現が多い割には謎解きはシンプル
通常エンドの他に特定の条件を満たした状態でクリアすると、真エンドに到達することができる。
ゲーム内の会話や表現の中に、真エンドに向かう謎解きのヒントと思わせるような匂わせが多いのだが、、、、
実際はそのような複雑な謎解きは一切必要なく、
真エンドに到達するための”謎解き・条件”が肩透かしだったのは残念ポイント。
謎解きを深読みしすぎて期待が膨らんでしまった分ショックも大きかった。
真エンドの内容についても消化不良に感じる部分もあった。
ゲーム自体はちゃんと完結しているし、何でもかんでも綺麗に終わることが良いという物でもないので、
この部分については特段問題として感じてはいないが、
ゲーム内にちりばめられていた匂わせを受けて自分なりの真エンドを妄想してしまうと、
実際の真エンドとの落差に物足りなさを感じてしまう。
”プラス!”になった事で真エンドについても何か追加要素が欲しかったところ。
オリジナル版からの追加要素
ドキドキ文芸部プラス!では本編に加えていくつかの追加要素がある。
なお、本編自体には追加要素やエピソードは無いので、
オリジナル版を遊んだ既存プレイヤーはその点に注意。
【追加要素】
・本編とは別のサイドストーリー
・一部ギミックを家庭用向けに調整
・追加楽曲
・追加イラスト
・追加のゲーム内収集物(ラフスケッチなど)
完全新規で書かれた『サイドストーリー』が一番大きい要素。
これは本編とは関わらない要素なので、別物としてプレイする事ができる。
サイドストーリーでは、ヒロインたちが『文芸部に入部する前〜入部した後』の時間軸が舞台になっていて、
全く違う性格と悩みを持つキャラクター達が、衝突しあって仲良くなっていく姿が描かれている。
どうやらサイドストーリーはパラレル設定のようで主人公の存在は確認できない。
なので、ヒロイン同士のイチャイチャだけを楽しめる内容となっている。
本編では触れられていなかった部分が描かれることで、
キャラの掘り下げが行われてファンには嬉しいが、
本編のような刺激のある体験がサイドストーリーで行われるわけでは無いので、
別の意味での”doki doki”を期待している人にとっては残念に感じる面もあるかもしれない。
音楽
doki dokiするような楽曲がたくさん!
恋愛ゲームを彩る”ほのぼの”とした曲がメイン。
収録曲数が27曲あり、ゲームボリュームを考えると多い。
曲名を『ohayou』『daijyoubu』というような日本リスペクトを感じる曲名にしているのもポイントが高い。
▲開放した曲はゲーム内で自由に視聴できる。リスト機能もある。
その他
コストパフォーマンスについて
オリジナル版が無料でプレイできることもあり、
有料版として発売された『ドキドキ文芸部プラス!』は
どうしても割高に感じてしまう部分もあるかもだが、
内容としては1500円〜2000円台は適正だと思うし十分に満足できる出来。
オリジナル版をプレイ済みで、追加のサイドストーリー目的の場合だと高く感じる可能性あり。
また、パッケージ版の4000円設定は正直高いと思う。
完全にファン目的の物になるので、家庭用ゲーム機での発売を記念としてコレクション目的で買うか、
初回限定の特典アイテムに意味を見出すかしないと、厳しい値段設定だと思う。
▲初回限定ではここでしか入手できないレアな特典がつく
おわりに
話題の通り独特な雰囲気のあるゲームだった。
俺は恋愛ゲームというよりはサイコホラーゲームという切り口から興味を持ったが、
終わってみればホラーであり恋愛ゲームでもあるなと思った。
怖い・甘い・切ないが体験できる不思議なゲームだ。
家庭用版の発売に合わせていろんな追加要素があるが、
欲を言えば本編に対しても追加エピソードや要素が欲しかったところ。
メインでプレイしているゲームの箸休め的な感じで遊ぶのも良いし、
ちょっと刺激が欲しいなーという方にもお勧めしたい1本だ!
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