クリアレビューの片道切符!
エンドオブエタニティ=EOE(略称)
・2013/5/3
・2013/11/28 修正
発売日:2010年1月28日
ジャンル:RPG
対応機種:PS3/XBOX360
プレイ時間:63時間
・おしゃれ着公開!
トライエースとセガのタッグで贈る”銃撃多重奏RPG”
新しい作品を世に送り出そうとするトライエースの姿勢はとても好感がもてる。
個性的なシステムとキャラクターがあなたのゲームライフを彩る!
↓以下レビュー
地上が毒された世界。
人々は生きるために世界に巨大なタワー型の機械を作った。その閉鎖された機械の上で生活する「便利屋の3人組」が繰り広げるファンタジー。
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シナリオの全体図は普通にプレイしているだけじゃ非常に把握しづらい。
王道のストーリー展開のように主人公たちが世界を救う冒険譚を描いてるわけではなく、「便利屋」として依頼された仕事を淡々とこなしている裏で問題が起きている。そのことから、主人公たちが物語に絡んでいる描写が薄く、盛り上がりに欠ける。
タワーの上で物語が展開される事から世界観は狭く感じる。
シナリオ背景は細かく設定されていると思うが
・把握しづらい
・キャラが自分に酔っている
・世界観が狭い
・インパクトがない
・2転3転するような展開が無い
ことからシナリオ補完する興味が沸きづらい。
○個性的な便利屋3人衆
メインパーティはJRPGお馴染みの、”美少年・美青年・美少女”。3人の掛け合いは非常に面白く、ギャグパートは必見だ!
残念なのは3人以外の新メンバーがいない点。むしろパーティの中の一人が抜けたりするせいで2人パーティも頻繁。
・ゼファー
美少年は厨二こじらせたDQNキャラ。初々しい反応をしたりかわいげのある性格だったりするので好感はもてる。
・・・けど、あんだけの事して平然と生存しているのが理解できない。(シナリオネタバレになるので)
・ヴァシュロン
美青年は若いのにオッサン臭が凄い。若いのにオッサンっぽいキャラクターは他のゲームでも良くみるが、いっそ30代でキャラ設定すれば違和感もなくて良いと思うのだが。
・リーンベル
美少女がこのゲームのキーマン。彼女の存在がシナリオの軸にもなっている。かわいらしく人気も高い。
○独創的な戦闘システム
戦闘は非常に独特。
コマンドバトルに位置取りの要素をいれた形式だがプレイしてみるとそれだけではない新しさを感じる。
戦闘パートは常にリアルタイムではなく、プレイヤーが動けば敵も動く仕組み(セミリアルタイム?な感じ)。キャラクターごとに行動ゲージがあり、それを消費しながら「移動&攻撃」をこなしていく。
また、特殊ゲージを消費して”A地点からB地点に直線上のラインを引きそこへオート移動”しながら敵に連続攻撃をあびせる行動がある。主にその攻撃行動が主体となる。
攻撃タイプは2通りあり、
・HPを削る青攻撃
Lダメージは大きいが時間ごとに回復する。またHPを0にする事が出来ない
・HPに直接的ダメージを与える赤攻撃
Lダメージは低いが時間ごとに回復しない。また、HPを0にする事が出来る
つまり、青攻撃(マシンガン)で攻撃して赤攻撃(ハンドガン&手榴弾)で止めをさすという戦法になる。
また、攻撃するまえにチャージ行動があり、敵との距離によってチャージ時間が違う(近ければチャージ速度UP)
チャージが完了すると攻撃可能になる。チャージは武器のレベルによって2重3重チャージが可能でダメージや性能が変わってくる。
・・・独特な戦闘システム故説明が少し長くなってしまった。
○土台は良いが、全体的に煮詰まっていない戦闘システム
銃撃多重奏RPGと言う割に使用できる武器は【マシンガン/ハンドガン/手榴弾】 の3種類のみ。
これは正直がっかりしてしまった。もっと色んな武器に触れてみたかった。
上記で説明した戦闘システムだが、青攻撃と赤攻撃に分ける必要性を感じない。
むしろこの仕様のせいでコチラ側の戦法が固定されるので、基本はどの敵に対しても毎回同じ立ち回りをする事になる。しかも、敵は青攻撃のみで自軍のHPを0にできる理不尽さ。
攻撃チャージの仕様についても違和感しかない。
何故、武器は「銃」なのに近くによらないと攻撃できないのか?
銃を装備しているのにかかわらず戦闘スタイルはインファイターという矛盾。
ステータスには集弾性能(近~遠の命中率)という項目があるので、チャージ時間は一律(カスタムで向上)で良いと感じた。チャージ時間も行動ゲージを消費するので、一律ならより細かい行動が出来たと思う。
○終盤まで変わらない戦闘スタイル
序盤は目新しさを感じ楽しくプレイできる。
しかし、戦略が基本の立ち回りでほぼ完成しており、見た目に反して自由度が薄く、”序盤~終盤”までまるっきり同じ行動になってしまう。どの敵に対しても弱点属性を付与させる違いなだけで闘い方は同じである。
防御面ではちょっとしたテクニックがあり、敵の頭上に表示されている敵の行動ゲージ&標的(ターゲット)を把握すると上手に立ち回る事が出来る。
例1:タゲられている味方を遠くに配置し、巻き添えを防ぐ
例2:敵が攻撃行動を開始するギリギリまで壁付近に引きつける。攻撃行動を開始したら壁を利用しダメージを防ぐ
など、地の利を活用した防御行動は大事である。
簡単に戦闘手順をまとめると↓
①A地点からB地点に動く技(これにより移動&攻撃ができる。ゲージを使うが回復可能&ゲージたんまり)
②マシンガンで攻撃(青でしかダメージが満足に取れない)
①~②のループ
③止めにハンドガンor手榴弾
武器の種類やレベルによってコマンド特技があるわけでもなく、徐々にシステムが解放されていくわけでもないので、中盤の頃にはマンネリ感が強くなってくる。
○武器と共に成長するキャラクター
キャラクターは3つの武器【マシンガン・ハンドガン・手榴弾】を自由に装備できる。
いずれかの武器どれかを戦闘中に使用することで武器レベルが上がる。キャラクターのレベルは武器レベルの合算になる。
(例:ハ12+マ15+手5=32レベル)
武器のレベルがあがると攻撃中に特殊効果が発生するようになる。
といっても、こちらの攻撃手段が増える事ではなく(特技ではない)、あくまで通常攻撃に発生する追加効果。追加効果の発生は確率なので、戦略ゲー要素にはならない。
○自由すぎる!?武器カスタマイズ
武器に特定のパーツをカスタマイズすることで、「銃」の性能を上げる事が出来る。カスタマイズを行う上での規制が少なく、比較的自由にパーツをセットする事が出来る。
自由すぎるが故、カスタマイズに個性が生まれにくく、最終的にはガッチガチのごり押しカスタムになってしまう。
「敵に合わせてカスタマイズ!」というのは基本的には無い。
↑カスタマイズの基本はある程度のルールに従い、プレイヤーが独自に考え組み立てていくのだが、EOEはかなり大味なバランス。
○マップの解放はパズルゲーム!
冒険の舞台は人口のタワーということもあって、人工物が多く似たような景色が多い。新しいエリアに行っても似たような景色が多く、ワクワク感は薄い印象。
新しいマップに到達するためには他のゲームにはない特殊な解放要素がある。
↑上の写真のようにグレーの部分は未解放で行動できない範囲となっている。
それをちょっとしたパズル的要素でプレイヤーが解放していくことで行動可能ルートが広がっていく。解放の仕方でエリアマスに特殊効果を発生させることが可能。ただ単に先に進むためだけにとどまらないシステムとなっている。
ゲーム的には面白いのだが、世界観的には疑問が残る。主人公たちは自ら解放して進んでいくのに対して、この世界の住人はグレー状態をものともせずエリアを移動している。何故なのか。
○スタイリッシュなアクションモーション
戦闘中はスタイリッシュアクション満載!
重力をも無視する銃撃モーションは必見。このゲームのウリの部分で観ていて楽しい。
一部変なモーションもあるが、それを含めて面白く仕上がっている。
戦闘でピンチになると「デンジャー状態」というモードに陥るのだが、その時のキャラクターのモーションが面白い!
最初は笑ってしまいました。
○操作性
とくにこれていって問題点は無いが、戦闘中の敵ターゲット変更が利用しづらかった。
○迫力のある音楽
BGMはカッコイイ!みんな大好き桜庭さん(テイルズ、黄金の太陽、バテンカイトスなど)が参戦しています。
「桜庭節」は相変わらずだが、そんな中でもEOE独自のスタイリッシュさを演出しており、ゲームの品質にかなり貢献していると言えるでしょう。
またBGMを利用した行動演出があり、プレイヤーが攻撃を仕掛けた瞬間に音楽が盛り上がったりする仕掛けがあるので、非常にプレイしていて気持ちが良い。盛り上がる!!
○個性のあるセリフ
「泥でも舐めてろ!!」
「地獄への片道切符!」
「12時の鐘はまだ鳴ってないよ!」
と、カッコイイセリフや厨二セリフや意味不明のセリフまで・・・多種なセリフがゲームを彩ります。
特に戦闘中はスタイリッシュな動きに合わせて発言するので、多少意味不明なセリフがあってもむしろそれがカッコ良く聴こえるなんてことも。
「泥でも舐めてろ!!」
○お金は武器より衣装!着せ替えシステム
メインキャラクターの3人は自由に衣装を変える事が出来ます。
もちろん、ムービー/戦闘中とのみ適用されるので、常に新鮮な気持ちでプレイできるでしょう。
とはいったが、
実は服装の種類は多くなく、大雑把に分けると衣装は2種類しかありません。(あくまで大雑把なくくり)
AタイプとBタイプの衣装があるのですが、衣装が増えてもAタイプの柄違い/Bタイプの柄違いが増えていくだけで新鮮さが薄くコーディネートしてる気にならない。もう少し遊びの幅があると良かった。
アクセサリーとして”メガネ”や”カチューシャ”などが自由に付けれる点は良かった。これだけでも雰囲気は大きく変わる。
○ロードやリトライ
・ロード
Lこれといって問題はありません
・リトライ
Lゲームオーバー時は即タイトルに戻されるわけではなくリトライが可能
Lリトライの条件にゲーム内通貨を消費する
Lレベルが足りない戦闘での敗北は前セーブ時に戻らないと行けない状況が多かったりする
Lリトライの内容に「能力・ドロップを引き継いでダンジョン入口に戻る」があっても良かった
L特殊シンボルのVS強敵は”戦闘から逃走できない”状況がたまに存在するため、セーブをこまめにしていないと大変なことになる
AAA(トライエース)性の新規RPG。昔と違いゲーム展開を失敗した時のリスクが高いということもあり、完全新規RPGは中々世に生まれなくなりました。
その中でもAAAは積極的に新規ゲームを展開している会社で非常に好感がもてるし頑張ってほしいと思っているのですが・・・・
どうも詰めが甘~い印象です
★良い点
・独自のシステム
・魅力的な3人組
・カッコイイ音楽
・スタイリッシュなアクションモーション
★悪い点
・強い行動、セオリー戦術が固定されているので最初から最後までプレイ内容が変わらない
・戦闘はレベルを上げて殴ってれば勝てる
・戦闘が面倒くさい存在と化してくる
・シナリオが伝わりづらい
・シナリオが盛り上がらない
システムの土台が良いだけに残念なところが非常に目立つ。
「ここがこうでもっとこうだったらよかったのになー」という妄想が止まらない。
点数は68点
最初はずんずんプレイしていたのですが・・・
あまりにも変化のないシステム故にモチベが維持しづらく、終盤はかなりダレてのクリアでし た。
新規RPGとしての挑戦は素晴らしいし、独特の戦闘システムも評価に値すると思います。しかし、1作目のタイトルにありがちなスカスカ感が否めない。
シナリオ展開はユーザーおいてけぼり感が強く、興味がもてない。
伸びしろは十分ある作品なので、続編に期待したい。
隠しダンジョンが用意されており、そこでシナリオの補完がされているらしいのですが、プレイしていません。
モチベが維持しづらいので、隠しダンジョンでの展開は止めてほしかった・・・
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